空き家になったマイホームをどうするか？？

留意点

ご高齢になりますと、防犯面や生活の利便性などを考えて、そのような施設へ移られる方も多く見受けられます。 ご相談のような内容の場合、 ① 不動産の活用の視点、②将来の相続の視点、 ③ 税務面以外の視点など、 複数の視点から検討が求められ、これらの要素をバランス良くアドバイスする必要があります。

・不動産の活用の視点

戸建住宅を何年も空き家の状態にしておくことは建物にも良くないですし、効率的ではないと思われます。 また、施設に入居し生活を続けるには、 その費用も必要になります。そこで売却や賃貸を検討することになるわけですが、売却する場合は居住用財産の売却特例の適用要件に注意が必要です。 「住まなくなって3年を経過する年の末まで」に譲渡契約を結ばないと、 3,000万円控除等の特例が使えなくなります。 また、 賃貸する場合は、親族の中に貸し主(代理)として賃貸業務に対応できる人がいるのか、定期借家などの賃貸条件についてもあらかじめ検討する必要があるでしょう。

・将来の相続の視点

将来の遺産分割 相続税対策についても検討が必要な場合があります。 その住宅の相続を望む相続人がいるのか、 その場合他の相続人との遺産分割で対応できる預金・株式などの資産があるのか。また、生前に売却して預金の状態で相続を迎える場合と、不動産の状態で迎える場合のメリット・デメリットは何か、についても把握しておく必要があるでしょう。

・税務面以外の視点

実はこれが一番大変だったりします。これまで生活をしていた住まいを売却することについて、本人がどのように思うか。今後、本人に認知症等の症状が出始めた場合、資産の処分や活用は難しくなるのではないか。税務面以外についてどう判断するかもとても重要です。これはそれぞれのご家族により、これまでの経緯や価値観により最適な判断が異なります。このため、とりあえずは現状維持でという対応が何年も続くことも多く見受けられるのです。 ただ、 放置状態が続くと問題が複雑化することもあります。